忘れじの行く末まではかたければ 今日を限りの命ともがな
忘れじの 行く末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな
儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
わすれじの いくすえまでは かたければ
きょうをかぎりの いのちともがな
- 歌の意味
- いつまでも君のことを忘れないよと、あなたはおっしゃってくださいますが、
いつ心変りされるか不安でたまりません。こうして、あなたに愛されて、
幸せに包まれている今日を限りに、死んでしまいたいと思います・・・・・
- 解説
- 本名は、高階貴子(たかしなたかこ)。
才女だった貴子は、エリートでハンサムな藤原道隆に愛されるようになります。
でも、モテモテだった道隆が心変わりしてしまわないか、貴子は常に不安でした。
この歌は、死んでしまいたいほど愛していた道隆のことを詠った歌。
結局、恋は結ばれ、貴子は道隆と結婚し、幸せになることができます。
道隆との間にできた、長男の伊周(これちか)が「儀同三司」という位に就いたため
儀同三司の母と呼ばれています。また、娘に清少納言が仕えた中宮・定子もいます。
覚え方