夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ
夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ
清少納言(せいしょうなごん)
よをこめて とりのそらねは はかるとも
よにあふさかの せきはゆるさじ
- 歌の意味
- まだ夜が明けていないのに、ニワトリの鳴きまねをしてもダメですよ。
函谷関の番人を騙して開門させることができても、逢坂の関は通しませんからね。
- 解説
- 清少納言は、紫式部とならんで平安時代を代表する女流歌人。「枕草子」の作者。
本名は不明ですが、清原諾子(なぎこ)という説が一番有力。
清少納言は、ある夜、プレイボーイの藤原行成と楽しく話をしていましたが、
行成は用事を思い出したため、(いろんな女性と会っていたのでしょう)
ニワトリが鳴いたから、夜が明けないうちに帰ろうと帰ってしまいました。
翌日、清少納言は、行平に、昨日ニワトリが鳴いたとウソをついたのは
昔、中国で函谷関の番人が、ニワトリの鳴きまねで、朝が来たと騙されて
門を開けてしまったのと同じように、私のことを騙したのでしょう?と尋ねました。
すると、プレイボーイの行成は、その関所は函谷関ではなくて、
愛する人が出会うという逢坂の関ですよ。とキザに告白しました。
その告白の返事として、清少納言が詠んで返したのがこの歌。
あふ坂の関=逢坂の関。あふ坂は「あふ坂」と「会ふ」の掛詞。
逢坂の関を詠った歌はもう一つあります→これやこの
覚え方
※銃弾を4発込めて。