百人一首の意味と覚え方TOP > 夕されば門田の稲葉おとづれて

夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろやに秋風ぞ吹く

夕されば 門田の稲葉 おとづれて
蘆のまろやに 秋風ぞ吹く


大納言経信(だいなごんつねのぶ)

ゆうされば かどたのいなば おとづれて
あしのまろやに あきかぜぞふく

歌の意味
夕暮れになると、秋風に吹かれて、
家の前の田んぼの稲の葉が、そよそよと音を立てます。
その風が、葦で葺いた、この粗末な家の中にも入ってきていることよ・・・
解説
これは、源経信が農民の気持ちになって詠んだ歌。
源経信には、「大井川の舟遊び」という有名な逸話があります。
大井川には「漢詩の舟」「和歌の舟」「音楽の舟」の3つの舟があり、
それぞれの分野の達人が乗っていました。
経信は寝坊して遅れてやってきて、あわてて乗った近くの舟が、
たまたま音楽の舟でしたが、その中で美しいびわを披露し、
その上、漢詩と和歌まで作って天皇を喜ばせました。
これ以降、「三船(みふね)の達人」と呼ばれ、人々から尊敬されるようになります。
夕されば=夕方が来ると。「さる」は現代の「去る」ではなく「来る」という意味。
門田の稲葉=家の前の田んぼの稲の葉。

覚え方

  • (早見)優がされば 足のまろやかな匂いが残る
ゆうされば あしのまろやに