花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
ふりゆくものは わが身なりけり
入道前太政大臣(にゅうどうさきのだじょうだいじん)
はなさそふ あらしのにわの ゆきならで
ふりゆくものは わがみなりけり
- 歌の意味
- 桜の花を散らして、嵐の吹いている庭は、まるで雪が「降りゆく」ようだ。
でも、本当に年を取って「古りゆく」のは、この私の方なのだよなあ・・・・
- 解説
- 入道の本名は藤原公経(きんつね)。鎌倉幕府を開いた源頼朝の姪の北条政子の夫で
「承久の乱」で幕府側に味方し、太政大臣にまで上り詰めた当時の朝廷の最高権力者。
権力を持った幸せな人間なら誰でも思うことですが、
年を取りたくないなぁ、永遠に生きたいなぁという気持ちを詠った歌。
公経は藤原定家をサポートして、百人一首の作成に大きく貢献した人物でもあります。
ふりゆく=雪が「降りゆく」と年が「古りゆく」の掛詞。
覚え方
- 花田兄弟が、稽古に誘うとは 降りゆくものは 大量の汗だなぁ
※花田兄弟=貴乃花と若乃花。稽古の鬼だった。