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大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立

大江山 いく野の道の 遠ければ
まだふみも見ず 天の橋立


小式部内侍(こしきぶのないし)

おおえやま いくののみちの とおければ
まだふみもみず あまのはしだて

歌の意味
(母のいる丹後の国へは)大江山や生野を越えて、はるばる行かねばなりません。
そんな遠いところですから、その国にある、天橋立も見たことがありません。
もちろん、母からの手紙もまだ見ていませんよ。(歌は自分で作りました)
解説
小式部内侍は和泉式部の娘で、歌がうまく美人だったため、アイドル的存在でした。
ただ、超大物歌人「和泉式部」の娘であるために、自身でうまい歌を作っても、
お母さんに歌を作ってもらってるんだろと言われることもあったようです。
15歳の時、小式部内侍は、都で行われた歌会に呼ばれました。
当時、母の和泉式部は、再婚して、丹後の国で離れて暮していたのですが、
プレイボーイの藤原定頼が、お母さんに手紙で歌を作って送ってもらったのかい?
と、からかいにやってきました。その時、仕返しに即興で送ったのがこの歌です。
瞬時に作られたすばらしい一句に、定頼は返す歌もなく、逃げ去りました。
いく野の道の=生野(地名)の「いく」と「行く」「幾く(たくさん)」
の3つが掛かった掛詞。
まだふみも見ず=ふみは「文」と「踏み」の掛詞。

覚え方

  • 大江健三郎 まだ文も見ず ノーベル賞祝いの大宴会
 ※受賞の通知も来ないうちにすでに確信。
おおえやま まだふみもみず