有馬山猪名のささ原風吹けば いでそよ人を忘れやはする
有馬山 猪名のささ原 風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする
大弐三位(だいにのさんみ)
ありまやま いなのささはら かぜふけば
いでそよひとを わすれやはする
- 歌の意味
- 有馬山に行く途中の猪名の笹原に風が吹いて、笹の葉がそよそよと音を立てています。
あなたの風が吹けば、私も「そうよ、そうよ」とうなずきます。
こんな私が、どうしてあなたのことを忘れたりするでしょうか・・・
- 一言解説
- 大弐三位は結婚後の身分。本名は藤原賢子(かたこ)。あの有名な紫式部の娘です。
「そよそよ」と「そうよ、そうよ」が掛けられたユニークな歌ですが、
10代前半に作られたというのだから驚きです。
猪名=兵庫県の古い地名。「いな」には暗に否の意味も隠されている
いでそよ=さあ、そうですよ(そうよ)。そよそよのそよと掛けている。
俳句の形式上「いでそよ人を 忘れやはする」になっていますが
意味が通る切り方は「いでそよ 人を忘れやはする」
覚え方
- 有馬記念 「イデソヨヒト」号は、井出らっきょとヒロヒトの共同馬主